アポトーシスの科学
2002年11月8日 昨日付けの日記に書いた分子生物学の本とは、講談社ブルーバックス「アポトーシスの科学」。
ちょっと古いのかもしれないが、なかなか面白い。
動物の細胞の死については、近年では分裂回数の制限(テロメア)がよく知られているのでないかと思うが、実際は、遺伝子等の傷等の異常による自己破壊プログラムが働くことの方が多い。これをアポトーシスという。
ダメージの大きい細胞は修復するよりも新しいものに置き換えた方が早いというわけだが、これが非常に重要らしい。
たとえば、これによって細胞のガン化が少なくなっているという。
つまり、異常を来たした細胞は自殺してしまうのがノーマルで、大抵はそれで無事に済んでいるのだが、さらにアポトーシス(自殺)機構そのものの異常が加わると生き延びてガンになってしまうのである。
アポトーシスは基本的に活性酸素を利用するので、ちょっと考えると、いわゆる「抗酸化サプリメント」は必ずしもメリットだけがあるものじゃないという気もしてくる(もちろんそれが働く場が全然違うのでそんなワケないと思うが)。
まあ要するに、死なないのが必ずしもいいこととはいえないというわけだ。
ところで、死なない細胞もある。脳細胞と心筋だが、この本では、それらのプログラム死が生物の寿命としている。
実際にはむしろテロメアがらみの臓器不全が効いてるのではないかという疑問もあるが、まあ確かにそれが老衰の本質かもしれない。
昔はオレも抱朴子なんかを研究したもんだが(爆)、最近は健康関係は興味を失った。もちろん大切なことだとは思うが、健康オタクもどうかという気がする。
PS
卵細胞は出生時に約50万個あり、その中から一生で400個だけが卵子として使われる。卵細胞は異常の修復能力が極めて高い上、完璧なものだけが選択されるらしい。
一方、精子と受精卵は、修復能力はほとんどなく、ちょっとでも異常があると極めて容易に自殺してしまう。
だから、たとえば放射線を浴びるなどで問題がありそうに思えても、受精卵期を乗り越えた胎児にはほとんど問題がないという。
うーん、すごくよくできている。
ちょっと古いのかもしれないが、なかなか面白い。
動物の細胞の死については、近年では分裂回数の制限(テロメア)がよく知られているのでないかと思うが、実際は、遺伝子等の傷等の異常による自己破壊プログラムが働くことの方が多い。これをアポトーシスという。
ダメージの大きい細胞は修復するよりも新しいものに置き換えた方が早いというわけだが、これが非常に重要らしい。
たとえば、これによって細胞のガン化が少なくなっているという。
つまり、異常を来たした細胞は自殺してしまうのがノーマルで、大抵はそれで無事に済んでいるのだが、さらにアポトーシス(自殺)機構そのものの異常が加わると生き延びてガンになってしまうのである。
アポトーシスは基本的に活性酸素を利用するので、ちょっと考えると、いわゆる「抗酸化サプリメント」は必ずしもメリットだけがあるものじゃないという気もしてくる(もちろんそれが働く場が全然違うのでそんなワケないと思うが)。
まあ要するに、死なないのが必ずしもいいこととはいえないというわけだ。
ところで、死なない細胞もある。脳細胞と心筋だが、この本では、それらのプログラム死が生物の寿命としている。
実際にはむしろテロメアがらみの臓器不全が効いてるのではないかという疑問もあるが、まあ確かにそれが老衰の本質かもしれない。
昔はオレも抱朴子なんかを研究したもんだが(爆)、最近は健康関係は興味を失った。もちろん大切なことだとは思うが、健康オタクもどうかという気がする。
PS
卵細胞は出生時に約50万個あり、その中から一生で400個だけが卵子として使われる。卵細胞は異常の修復能力が極めて高い上、完璧なものだけが選択されるらしい。
一方、精子と受精卵は、修復能力はほとんどなく、ちょっとでも異常があると極めて容易に自殺してしまう。
だから、たとえば放射線を浴びるなどで問題がありそうに思えても、受精卵期を乗り越えた胎児にはほとんど問題がないという。
うーん、すごくよくできている。