やっと中断部分の書き下ろしとかmixi日記の転記が終わりまして、次は入院日記です。


 7月15日、私は某財団の事務所で一人、仕事をしていましたが、午後から両目の焦点にちょっと違和感を感じておりました。
 とはいってもそれは気になるほどではなく、またそんなに珍しいことでもないので気にせずにいましたが、4時半ごろ、パソコンを見てもかなり合わなくなり、これはおかしいと思って横になりましたが(数年前も一晩寝て直ったことがあった)、違和感は増していく一方で、とりあえず119番に電話しました。
 最初は近くの急患を受け付けてくれる病院を教えてもらい、タクシーで行ってみるつもりでしたが(これまた二十年ほど前、手を切った際にそうしたことがあった)、119番の相手の方が「いや、今行くから待ってろ」と結構強硬に主張し、そのうち具合もさらに悪くなってる気がするんで言うとおりにすることにした。やっぱり向こうも経験があるし、ピンと来るものがあるんだろうね。
 電話を切り、本当にヤバそうなので、パソコンに向かい「俺もついに脳卒中だ」とツイートし、小便したかったのでトイレに行こうとしたが、その時点ですでに歩けなかった。
 しょうがないので、別フロアの関連会社の方(女性)に電話した。ちょっと来てもらい、救急車で出て行った後のこと(エアコン消し、鍵締め等)を頼んだ。
 めまいはいよいよひどくなり、左半身の痺れも増す感じで、椅子に座って頭を下げてじっとしていたが、その方が「姿勢を変えた方がよくないか、寝た方がよくないか」としきりに言ってくるのはかえって閉口した。ちょっとでも頭を動かすと吐き気がするのである。また、しびれも、左額までピリピリし出したのを覚えている。目はどちらかが開きにくかった。
 
 そうこうするうちに救急車が来て、11階から降ろして運んでくれたのだが、エレベーターも狭く、なかなか大変だったようだ。意識はあったので、「結構慣れてないというか手際が悪いな」と思ったりして。
 ストレッチャーに寝かされる際がもっとも吐き気が強くて参った。

 ストレッチャーに寝かされてからは、もうどうにでもなれって感じで、開き直って成り行きを無責任に楽しんだ。
 連絡先等を聞かれ、付いた先はすぐ近くの慈恵医大病院で、CTを取り、なんか担当できる医師がいないということで、虎の門病院へ。そこでもCTを取り、次いで集中治療室みたいなベッドへ。
 意識はずっとあって、いろいろ話してたらしい。ここにも関連会社のI氏がずっと付いてきてくれた。

 集中治療室?ベッドではまわりでいろいろなことが話されていたらしいが、あんまり記憶がない。医師が何人かで話していたり、インターンが大勢見に来たり、家族(実家)が来て話していったりした。
 目が開きにくく、ずっと眠っていたような感じ。昏睡というわけではないと思う。
 割としょっちゅう、血圧を測ったり、目にライトを当てたり、ペンを動かして目の動きを見たり、手をあれこれ動かすように言われたり、左脚をいじくって感覚を調べたりしていた。
 治療的なものとしては、たぶん点滴の中に薬が入っていたはずだが、詳細はわからない(結局説明してくれなかった)。

 医師が家族と話しているのを聞いたところでは、脳幹というヤバいところに出血し、脳圧が上がるようならば外科的処置をするとか、もう一回出血したら助からないとか、完全に元に戻るとは思わない方がいいとか。結局、出た血をどうしたかはよくわからない。

 あと、酸素濃度と脈拍を測るのを中指あたりの先に付けた。点滴チューブがはしばしば外れる(寝る姿勢によって潰れ折れる)ようで、しょっちゅう看護師さんがやってきて直していった。一回、脈がどうも変だということで心電図を取り、また眠っているときに、「息してませんよ」といわれた。それはいびきで心当たりがあり、無呼吸何ちゃらか。20kg減量した9月末現在、これまたどうなったのか、よくわからない。

 3日間、点滴だけで、腹も空かず、大の方もせず、小はカテーテルで、自分は何もせず、本当になんでもかでもしてくれる、っていうのが感想。そりゃあ、意識がなくても生かしておけるのがこういうベッドだもんな。すごいよなあ。(続く)


PS
 わたくし、入院というものは初めての体験でした。
 今思うと、関連会社に電話したあたりが分水嶺で、それを逃すともう何も出来ず、また誰にも発見されず、まず野たれ死んでいたと思う。その方がよかったという意見は聞きません。
 昔の人は(今でもあると思うが)結構そうやって死んでいたんだろうなと後で思いました。

 そういや、この日は娘の誕生日でした。

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