2010年10月 上旬

2011年9月3日 日常
10月2日 センチメンタル岡田企画 下北沢ガレージ
サラバーズ、某バンドも出演するという豪華なイベント。
企画自体は不満だらけ。たとえばこれだけ長丁場なのに外に出れないのは致命的だし(休むフロアがあるなら別だが)、そもそも長すぎ。前半のバンドなんかほとんど意味なしじゃねえの?
実際、外に出れないと聞いて腹ごしらえせざるを得ず、GLIM SPANKY は見れなかった。

杉並エステティシャン :  なんか他に本当に言いたいことってないの?って感じ。

The home alones :  いいんじゃないかな。本人達も言ってたが、ムラがあるのは俺も確認している。ボーカル、サラバーズの古館君にちょっと雰囲気が似てる。

The SALOVERS :  リズムセクションは上手くはなってる。さすがにテクニック的に上手くはなってるんだが・・・・・・。(以下略)
いつも言ってるように弾き語りで聴いてみたい。

某バンド :  よろしいんじゃないでしょうか。

ニーネ :  ワンマンや大所とタイバンを重ねてきてる年季の入ったバンドで、ギターも川本真琴のバックで弾いてたりと謳い文句はバッチリだが・・・・・。
音楽は古いが部分的には面白いところもある。ミカバンドによく似た展開とかあったりして。
演奏は、ドラムは動きがバタバタして全体的に遅いし、ベースも出音が不安定気味でビートが切れる感じのところが気になる。こういうオールドスタイルの音楽は(V系もそうだが)、演奏に欠点を見せてはまずい。
歌詞とかもねえ、俺はパス。キャリア長いからいいのもあるんだろうとは思うけど。

んで面倒くさいのでザザッと書くが、まず、普通に見ればあの程度のパフォーマンスで「抜群」といってもいいのかもしれないが、俺は不満だ。
ドラムとのユニットはいいと思うし、あのドラマーもいい感覚してるので即興的なのもある程度できてたが、そのいい感覚が曲者だ。
加藤君のドラムは以前はキックが正確に出てたが、今回はかなり遅くなってた。
高校時代の岡田バンドもそういうところがあったが、岡田に合わせてるとどうしてもそうなる。
そうではなくて、キックは正確なパルスを打ち出し、それを基準に岡田が自由に歌うっていうのがバンドの基本だ。
もちろんジャズとかでもレベルが高くなれば「それぞれのメンバーのうねるビートやグルーブが蛇のように絡み合って云々」てのはあるだろうが、それは次の段階の話だ。
リズム隊が正確だからこそ、椎名林檎や演歌歌手のように、遅らせたりジャストに出てみたり突っ込んだりと、自由自在に歌えるのである。
(昔の歌謡曲のオケなんかみんなクラシック上がり、ジャズ上がりで信じられないほど正確だからね)
パルスとは、キックの1拍目だ。これはわずかに早いくらいに出てこないと、バランス上(ボーカルやスネアを)遅らせることが難しくなる。
黒人なんかのドラムを聴いてると、キックが早い分だけスネアがタマって遅れ、そして次小節のキックが早く出るのでこの間がツマり、いわば微妙にハネた感じになって、これがグルーブになってるのがわかる。
三原重夫曰く「1拍目が遅いバンドだと、ボーカルは逆に走る癖が身に染み付いてしまう」
青山純曰く「自分のドラミングは、スネアは遅いが、キックは突込み気味でバランスを合わせている」
などと昔から言ってて、別に俺の発見ではない。
なんか爽快じゃないというかさっそうと鮮烈に聴こえないバンド(だるい引っ込んだ感じっていうのかな)は、たいていキックの1拍目が遅い。
伴奏の音がもう出てしまってるので、埋もれて聴こえて来ない。逆に早ければそれほど大きい音じゃなくてもキックのアタックがはっきり聴こえるもんだ。
ということで、岡田とずっと二人で合わせてるとどうしても遅くなってくるんだろう。感覚がいいだけに。
でも前に聴いたときもなんとなく岡田とドラムがフィットしない感じはあったんだよな。なんでだろ。
音のせいかな? 彼のドラムは出音はいい方だと思うんだが、今回は音自体(音量、音色)もまったく合ってなかったと俺は思った。

音楽といっても曲や歌やキーボードに関しては絶賛するばかりでコメントのしようがないが(いや本当に岡田は矢野顕子より圧倒的にいいと俺は思ってるのである)、歌詞の世界(歌詞そのものは悪くない。何を歌うかという話)、MC等のライブパフォーマンス、音楽活動に関しては、俺としては相当に疑問が残る。
これらは人が何言ってもどうなるもんじゃないとも思うが、歌詞の世界については、当日某バンドのメンバーから「一瞬のリアル」について誉め言葉というか応援メッセージの感じで直接当人に話したらしい。
んで、俺が言いたいのは、「一瞬のリアル」(だけ)でいいのか、ということである。もともとは某バンドの他のメンバーが最初に口にしたことで、誉め言葉というニュアンスでも実はなかった。
EMIのレボリューションロックで、審査員の亀田誠司氏が歌詞について、
「人生のヒントになるような深い洞察力」「人生の根源的な問題を解決するヒントになるようなメッセージ」
が欲しいと言ってるが同感である。
平たく言えば生きる勇気や希望(の種になるようなもの)を与えてくれるというようなことである。(「元気を出そう」ソングは論外だが)
「人間力」と言ってもいいだろうが、だからこそファンがつくんじゃないのかねえ? 
そして往々にして「若書き」のものは、むしろ比喩や暗喩が多く含まれ、抽象的でシュールなテイストがあることが多い。
これは体験が不足してて想像で書かれるからだろうと思うが、その分、むしろ読む方にイメージの幅を与え、対象を限定しないことが多い。
岡田の歌詞は、以前はそういった感じの若書きもあったが、最近の歌詞はむしろリア充(笑)ゆえのイメージを限定させるものになっていることが気になる。人生の根本問題(苦悩であれ喜びでアレ)は大金持ちであってもリア充であっても関係なく、避けては通れないものだ。
そして、別に個人的な体験は関係なく、洞察であらゆるものを書けるはずである。そうでなければ作家や詩人、プロの作詞家は成り立たない。
ブロンテ姉妹のどっちかは生涯、数えるほどのわずかな人間としか接しなかったと聞いたことがあるし、マープルおばさん(笑)は自身の経験した近親の数人の言動から、「こういう人はこういう状況でこういう言動をするはずだ」と犯人を導き出す。

何人も見てきて、歌詞は何を言ってもどうにもならないと考えてたんだが、最近ちょっと思い直したんで書いてみた。うん、何とでもなる!

PS   岡田の歌詞で得にいいのは「大雨洪水警報ベイビー」。
 コンビニ弁当を食ってなぜか悲しくなり、泣きやまなかったために、涙の洪水の中、隣町の彼女の家まで流され、屋根に引っ張り上げられ、顔を見合わせて笑っている、というあらすじだが、これは別に彼と彼女の話でなくて、自分と社会との話と感じてもいいし、ユングのいう「原型」ではないが、それに近い根源的なパターンのひとつであって、最初に聞いたとき深い感銘を受けたことを思い出す。


10月9日 怪獣メトロ他 川崎セルビアンナイト
STUDENT COUNCILという、10代を多く入れたイベント。そう、某バンドの母校関係が3組かな。

円周率3.14:  最近の高校一年はうまいわ。みんなキャラが立ってていいよね。

メイなんとかという女性弾き語り:  2chにJポップの歌詞で「・・・しすぎ」ってのがあるが、出だしからいきなりそれで吹いた。

怪獣メトロ:  ドラムのフィルとかを少し改善すれば演奏はバッチリ。バンドのキャラというか雰囲気もちゃんとできているが、問題はオリジナルだろうな。

F.ch:  音楽はまあ好きなのをやってください。演奏面では、ドラムは抜群だが、ベースが出音のタイミングが合ってないし、音も安定してない。ギターもリズム感に欠ける。厳しいことを書いたが次に行くには克服しないと。

air code:  これは元メジャー。意外とポップ。曲はいいんじゃないかな。ドラムのキックが少し遅い感じだ。

その他:  印象に残らず。

焼け野原のメンバーと少し話して帰る。何回も書いてるが相変わらず進歩の少ない連中(笑)。でも蟻とキリギリスの話もあるしあれはあれでいいのかも。


某バンド、決勝ライブ審査へ
EMIのレボリューションロック、もともとはエントリーするつもりもなかったようだが、なぜかベスト5バンドに残っております。
http://revolutionrock.jp/nominat/
http://blog.goo.ne.jp/peaceboat1/e/f6752fe07bec3a6b7cb1870bda100e9f

このコンテストは、スタッフがまず一次予選として2500組を20組に絞ったのは妥当だし(専門家であれば誰でもほぼ同じものを残すはず)、その20組を、加茂さんが信頼して委嘱した審査員が全バンドを聞いて、記名でコメントを残してるという点で、非常に公正なものと思う。
どこかのアレのように投票で脚切りするというのはアイデアはいいと思うんだが、組織票等の問題から相当数のバンドを残さなければならず、その全バンドを全審査員に聞かせるってのは現実的には不可能だろう。
皆さん、素敵なコメントを残しているが、特に審査員長の箭内さんの、「轍を行くな、轍を造れ」ってのには感激した。

15日の決勝ライブ審査は無料らしいよ。んでゲストバンドは「水中、それは苦しい」だそうで。

PS   the rooms は去年も書いたが、某バンド並かそれ以上に好きなバンドだ。

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