この9月あたりから、ドラムのフォームが気になるようになって、見ただけで好き嫌いが激しくなってきた。
 ひとつは頭というか上体の動きで、これは腕や足の運動量やモーメントを打ち消すような動きをしなければ合理的でない。つまり、腕や足が下ろされてくる時には頭や上体は逆に上に動いてなければならない。(昔書きましたが私はかつてとある競技のオリンピック強化選手でありまして、工学系だけにバイオメカニクスはだいぶ研究したもんです)
 速いテンポの曲では、プロでもわざとヘッドバンキング風を狙って1、2、3、4拍で頭を少し下げて叩くことはあるが、これは例外。ほとんどのプロは頭が下がらないから、今度観察してみてもらいたい。
 最近見た中では、上がる動きが大きいのは坂田学。佐野康夫は逆に動いているように見えるが、実際には下がり切って上昇を開始してからヒットしている。ザゼンの松下はスローな曲では自然に頭が上がるが、ちょっと速くなるとヘッドバンキング風に首だけ大きく落ちるようになり、そのあたりが整理できてない感じでドラミング全体が苦しげに見える。
 表拍で頭を下げるドラマーは、パワーロスがあって入れてる力のわりには音が出てこないだけでなく、当然ながら首が落ち背中が丸い傾向がある。
 とはいっても頭だけ上げりゃいいってものでもなく、上体全体が動けば(マスつまり運動量も大きいので)必要な動きは少なくて済むし、首まわりの筋肉がやたらと疲れるってこともない。一流プロに多く見られるのは、むしろ右を見たり左を見たりするゆっくりめな左右の動きだ。
 まあドラマーでもアスリートでも、体の合理的な動かし方は、誰に言われなくても本能的に出来なきゃ一流とはほど遠いし、望み薄といえる。
 これからも特に名を出すことはしないが、ライブを見て特にコメントしてないドラマーは、私の目からすればほとんど失格である。(もちろん見逃したいいドラマーもいると思うけど)

PS
 女性ドラマーは筋力が比較的弱くまた軽いので、力学的に自然な動きになりやすいし、むりやりヘッドバンキングする癖のあるドラマーも少ないですね。ドキドキシェイクの菊さんもスネアの2拍4拍で頭が大きく上がるタイプですし、後に見たチェンジの更科さんもそうでした。足柄高校のスティラのドラムの方はキックの反作用で1拍目に上がるタイプだったように記憶してます。いいですよー。(オリンピックで有名なった某解説者風)
 

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