殺竜事件

2003年8月22日
 当コラムではしばしば、「子供にわからないようなものじゃしょうがない」と主張しているが、そう言い切るだけに、かつてほとんどの児童文学に目を通していた時期があった。

 だから逆にあんまり最近のファンタジー小説?は好きじゃないんだが、「殺竜事件」はさすがにカドノ浩平だけあって、レベルを問わない作品に仕上がっている。
 ブギーポップのシリーズよりわかりやすく、その分、読者を引き込む力はものすごいものがある。逆にいうと、ブギポはカドノ浩平の力があって初めて書けるものであることも改めてよくわかった。

 テーマはラストまで行かないとわからないが、たぶんえっと驚くはず。
 いや実は驚かないかもしれないが、それはちょっと消化不良・説明(&エピソード)不足の点があるからかもしれない。これは読み手に力があれば問題はないが、作品としては唯一のわずかな弱点にはなってしまうと思う。

 ただし、毎度のことではあるが、本人のあとがきが作品を完全に補完している。
 このあとがきを読んで何かを感じることができる人は幸せである。
 

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