石油ねえ

2003年3月26日
 昨日の続きだが、同じく「石油の専門家」に言わせると「石油が第一目的の戦争ではない」らしい。
 
 この点、読んだばかりのフォーサイスの「ネゴシエーター」では(笑)、長く石油価格も安定しているため、アメリカもそれほど自国のエネルギー開発に力を入れておらず、もしOPECが原油大幅値上げを宣言してしまえば大変なことになるという背景になっている。

 ご存知のとおり、石油はいったん設備を作ってしまえばものすごく大量に汲み出せるので、原価は極めて安い。にもかかわらず、「この程度でも買うだろう」と産油国側に足元を見られて、現状でも相当な(というかとんでもない)割増価格になっているのは確かである。

 今現在、OPECの原油の占める割合は4割くらいらしいので、実際の原油価格はOPECの言うままにはならず、市場原理やバランスが十分に働くはずだが、原子力が地球環境にとって許されないものであることがはっきりした今、自国の生命源であるエネルギーを他国(特にイスラム教徒)に牛耳られているのは、アメリカとしては我慢ならない話だろう。

 ということで、石油専門家は石油事情には詳しいかもしれないが、もっと根本的なところが見えていないのではないかという気もしないでもない。(業界人にはよくあることだが)

 
PS1
 今出ている噂の真相では、軍需産業がらみという話も出ていましたね。もちろんそれもあるはずです。 

PS2
 書きたかったことをつい忘れてしまいました。
 アメリカといえども完全自足自給はできないわけですから、もし「思い通りに」賄おうとすると、軍事力や情報力で周囲の国に圧力をかける必要があります。しかし、そんなことが許されるわけはありません。
 ということで、たとえばの話ですが、日本の場合、もう製造業や農業は海外に全部(というのは極端ですが)まかしてもいいじゃないですか。
 各国ができること、得意なことをやって、世界全体でうまくバランスがとれる、そんな時代が来ないもんでしょうかね。
 

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索