善良な人々の無関心

2003年1月13日
 テレビ映画についてだが、基本的に字幕のものは避けるようにしている(ながら見ができないし、英語もダメなもんで)。
 でも、中には引き込まれるようについ見てしまうのもあり、それは何かよくわからないんだが、画面やセリフに何かを感じさせるものがあるとか、切り替えのテンポだとかだと思う。
 1シーンを見ただけで全体の筋まで「あああのようなものか」と想像できてしまうのはまずいけない。邦画のようにテンポが遅いのは最悪。

 FOXチャンネルで今日、「ドライビングミスデイジー」というのをやっていたが、これはなかなかだと思った。
 これを小説(オレの場合、あらすじだけでも十分だが)で読んだとしても、脳内にこれだけのイメージを浮かべるのはのはまず無理だろう。だって舞台となった1900年代半ばのアメリカ南部の風景なんて浮かんでこないし。
 映画に対して批判的なスタンスを取るオレだが、クリエイターの作リ出すものが自分の脳内妄想の次元を超えるものであるのなら、もちろんそれは無条件で賞賛する。
(そんなのあまりないけどね。それは皆さんそのはずで、予算や制作時間に制限のある映画より、脳内妄想の方がずっといいイメージを作れるに決まってるでしょ。よっぽど想像力貧困の人を除いて)

 ラストシーンはなかなか美しく、たぶんここで終わりだろうと思ったら、その通りだった。
 そういう意味では完璧といえば完璧、しかしながらさらにひとつ上回るものが欲しいところだ。

 途中、出てきたキング牧師の説教の一説、「真に悪なのは一部の人の邪悪な行動ではなく、善良な人々の無関心である」。
 その生声と併せて、信じられないような説得力だった。やっぱりすごい人だったんだ。
 

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