物理の世界

2002年11月7日
 共立出版「物理の世界」というのをゴミ捨て場から拾ってきた。

 こういう専門書は何冊か持っているので、どんな風に書かれているかという興味があっただけなのだが、付章に「近代科学と世界観・自然観」というお題で、渡辺正雄が極めてわかりやすくまとめていたのが印象に残った。

 まあ定説どおり、「キリスト教ゆえに科学が発展した」ということなんだが、オレもいろいろな本で何回もそれを読んでいるものの、いつもどうもよくわからないところがあって困惑していたのだが(特に2元論とかの問題)、なんかすっきり頭に入った気分がした。(書き方による?)

 それによると、まず、旧約聖書にもあるとおり、(神に似せて作られた)人間は特別な存在であるから、自然や生物は人間により操作利用されるべきという観念がある。
 そして、神が創ったものは秩序と合理性があるはずなので、それを自然から見出すことは聖書を理解するためにも奨励される。
 これが近代科学の基礎であって、関わり合いの中で自分(および自然)を意味づける東洋の自然観とはまったく違うものである。

 かのフックの法則のロバート・フックは
「人類が禁断の知恵の実を味わって失・楽園したように、子孫たる我々は、同じ方法によって、ある程度までは回復されるのである。これらの自然の知識の実を、ただ観想するだけでなく、味わってもみることによってである」
と述べているという。

 たまたま現代分子生物学の本も平行して読んでいたんだが、「造化の神の巧妙さには驚くばかりだ」という文句もあり、まあ同じことをいっているんだろう。

 しかーし、そんな一般的なことで納得するようなワタクシではない。
 古代ギリシャでも相当自然科学が発達していたが、これはキリスト教とは何の関係もなかったはず。
 まあ紙面が限られていたということもあると思うが、こういうことについてもちょっと言及して欲しかったという気がする。
 

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