カレカノを読む

2002年11月5日
 もうひとつ、彼と彼女の事情も読んだのでした。

 単行本では、話が変な方向へ行きかけている段階ですが、なかなか訴求力があります。ガイナックスが触手を伸ばしたのもわかります。

 今までのところの話では、ちょっと何点か納得しがたい点があります。

 たとえば、登場人物が全部美男美女、とりえばっかりで難点がほとんどない。これはどうも少女漫画特有の兆候らしく、なんといいましょうか、リアリティに思い切り欠けてます。
 別に脇役まで含めてあっと驚く特技を持っていなくても話は進むと思うのですが。そういう意味では宮沢が一番普通の人らしい。
 はっきりいいまして、私は有馬と宮沢のカップリング以外の話は全部飛ばして読んでました。
 おそらく、あくまで有馬と宮沢は学校内の1カップルに過ぎず、脇役にもそれぞれのかけがえのない人生があることを示したいのでしょう。主人公の存在感に対抗するためにもそういう設定になっていると思われます。しかし、なんか逆効果になっているような気がします。

 たとえばエヴァでは、洞木ヒカリに至るまで、完璧な脇役が存在してましたが、あれでいいんです。主人公のカップルとの係わり合いだけ示せばよろしい。
 それが人間性豊かにうまく描かれれば、あとは見ている人が自然にその脇役の人生に思いを馳せてくれます。
 
 次に、どうも私には宮沢(および、あえていえば養父母)との触れ合いでなぜ有馬が癒されないのか、よくわかりません。
 まあそれだけ深い傷を持っていると言いたいことはわかりますが、それが十分納得できるようには描かれていないと思うのです。
 たとえば、過去にあったことの説明、そして人格が崩壊している兆候を示す日常生活のシーン、こういったものが足りない気がします。
 たとえば有馬が人を殴るシーンがありましたが、外見的にはごく普通の常識人として描かれていた人がいきなり他人を殴るなんてありえませんし、またそれを見ていた宮沢も何の疑問も持たないのはおかしいです。

 まあ話はこれからまだ大変なことになるそうですし、途中段階であれこれ言ってもしょうがないでしょう。

 ガイナックスがこれをどう料理したのか、とても興味があります。
 

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