凡庸な文芸評論家

2002年5月16日
 かなり以前にコクトさんに薦められた藤沢周平「蝉しぐれ」を、某所への電車の行き帰りの中で読んでみた。
 
 作品自体は、有名なもので取り立ててコメントすることはない。藤沢周平らしい作品とだけ言っておこう。
 
 さて、この文庫本解説であるが、文芸批評30年の(とご自分で書いていらっしゃる)キャリアを誇る秋山駿氏が一文を寄せている。
 曰く、「私は藤沢周平を読まなかった。五味康祐、柴田レンザブロウ亡き後、(中略)深い失望の中にいたからである」
 これは全く私と同じ。

 ところが、次に「この小説を読んで徹夜した」というくだりがあり、そこから話を展開してるんだが(朝のさわやかさにかけたりなんかして)、私は少なからず驚いてしまった。

 あのー、すいません、私、この450ページ強の文庫本、1時間半でらくらく読めたんですけど・・・。
 文芸評論家ってそんな遅読で商売になるんですか? 
 私は別に速読法を使っているわけではないが、確かに細部の表現は確かに飛ばし読んでいる。それにしてもプロだろう? 基本的に、読むのは速ければ速いほど理解も深いっているのは、常識だと思うんだけど。
 だからというわけではないが、ふむふむと思ったのは冒頭だけで、その後は極めて凡庸。決め台詞を含むラスト3ページへの考察も言及も何もなかったし。
 
 例によってムッとしております。
 
 
PS
 今週やってるケーブルTVのFOXチャンネルのXファイル、フランク・ブラックをはじめとするミレニアムと関わりのあるストーリー。いつかはやるのではないかと思ってた。
 それにしても、一週間で4回も5回もやるかね。すっかりセリフまで覚えてしまいました。
 

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索